
『保険クリニック』がAIエージェント導入 LINE対応で利便性向上へ
保険ショップ『保険クリニック』は4月21日、ジールスが開発した接客AI「ZEALS AI Agent」を導入し、新たなサービス「保険クリニックAIエージェント」の提供を開始したと発表した。保険業界において顧客接点の強化や問い合わせ対応の効率化が求められる中、LINEを活用したAIエージェントによる24時間対応体制を整えたことが特徴となっている。
近年、消費者はインターネットやSNSなどデジタルチャネルを通じて保険商品を比較・検討することが増えている。一方で、契約内容や補償範囲が複雑な保険商品の特性から「自分に合った保険はどれか」「手続きに必要な書類は?」などパーソナライズされた問い合わせも多様化しており、従来の電話や対面だけでは対応に限界が生じていた。また、営業時間外にも多くの問い合わせが発生するため、24時間体制の顧客対応が急務となっていた。
同社では、こうした課題に合わせてジールスの技術を活用。新たにLINE上からいつでも保険相談ができる「保険クリニックAIエージェント」を構築した。同サービスは、従来のシナリオベースのAIチャットボットとは異なり、より柔軟に顧客の質問や要望に即時対応できる点が特徴だ。顧客はLINEを通じて住所変更や給付請求手続き、商品内容に関する疑問など、多様な問い合わせをAIと会話形式で解決できるようになる。
また、AIエージェントの導入により、保険コンサルタントの業務負担が軽減され、従来以上にコンサルティング業務へ注力できる体制も実現した。これにより、専門知識が必要な提案やライフステージに応じた保障設計など「人ならでは」の価値提供を追求できるようになるという。
保険業界でAIエージェントが本格的に顧客対応に活用される事例はまだ少なく、主な理由は高度な規制・コンプライアンス要件や、誤った情報提供が顧客リスクにつながることへの懸念とされてきた。既存のAIチャットボットでは多様な質問への応答が難しかったが、「ZEALS AI Agent」はその課題への対応と開発実績を強みとするとしている。
今後は「集客」フェーズだけでなく、保険相談の一部についてもAIエージェントが担う構想も描かれている。
添付画像一覧




