
楽天カード・りそな銀行のフィッシングサイトが急増、証券系は9倍に拡大
BBSSは4月30日、インターネット詐欺対策ソフト「詐欺ウォール」による3月度のフィッシングサイト調査レポート「インターネット詐欺リポート」を発表した。報告によれば、3月には楽天カードやりそな銀行を装ったフィッシングサイトが大幅に増加し、特に証券系のフィッシングサイトは前月比で9倍以上に急増したという。
同レポートではまず、楽天カードのフィッシングサイトが前月比約4倍に増加し、「アカウント制限」や「ポイントキャンペーン」を装った偽メールで利用者を誘導し、ログイン情報を詐取する手口が目立ったと説明している。楽天カードではセキュリティ強化のため「本人認証サービス(3Dセキュア)」の設定を推奨している。また、りそな銀行を装うサイトも前月比2倍に増加し、「口座に異常な動きがある」といった内容で不安を煽り、同様に情報搾取を狙っている。
さらに、証券系フィッシングサイトの著しい増加も警告している。楽天証券やSBI証券など、複数のブランドを標的とした偽サイトの出現が相次いだ。これまで証券会社は乗っ取った口座を現金化するのが難しいことから優先ターゲットではなかったが、3月から4月にかけて株の売買による株価操作などを企図している可能性も指摘された。証券各社は2段階認証設定を呼び掛けており、口座保有者には設定を強く推奨している。
フィッシングサイトのブランドランキングでは、Amazonが1位となり、楽天カードやりそな銀行などの急増も目立った。他にもANAやVpassなどのブランドを悪用した詐欺サイトが増加傾向にある。また、3月はクレジットカード系サイトの全体比率は減少したが、ECサイトや銀行、特に証券系サイトの比率が大きく上昇。証券系は実数で9倍以上の増加と、例年にない拡大を示している。
ネット詐欺被害を防ぐためのポイントとして、「怪しいメールやSMSに記載されたURLはクリックせず、正規サイトへ直接アクセス」「個人情報やカード情報入力を促す案内に注意」「ログインIDやパスワードの使い回しを避ける」「セキュリティソフトや詐欺対策ソフトを積極活用」といった対策を強調。
BBSSは今後も公的機関等との連携を強化しながら、利用者に対する情報セキュリティ啓発とサービスの提供を推進するとしている。
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