
JCB、オリコ、マネーフォワードエックスが法人向けオンラインレンディングで提携
JCBは5月8日、オリコおよびマネーフォワードエックスと法人向け事業における業務提携を発表した。JCBが提供する中小企業・個人事業主向け資金管理ポータル「Cashmap」に、AI与信審査モデルを活用したオンラインレンディング機能を追加する。新機能の提供開始は2025年秋頃を予定している。
「Cashmap」は、マネーフォワードエックスの開発協力のもと、JCBが提供する資金管理・キャッシュフロー改善ポータルである。複数の金融機関口座やクレジットカード情報を一元管理し、入出金状況の可視化や将来のキャッシュフローシミュレーション、資金繰り改善サービスへの接続など、ワンストップでのサポートを提供している。
今回追加されるオンラインレンディング機能では、オリコとマネーフォワードエックスが共同開発したAI与信審査モデルを活用する。ユーザーが「Cashmap」に連携した口座情報をもとに、オリコの融資貸付条件を自動で算出・提示する仕組みである。ユーザーは提示された条件を参考に、「Cashmap」上から融資の申し込み手続きを行うことが可能となる。
この提携の背景には、中小企業・個人事業主が抱える資金繰りの課題がある。JCBとマネーフォワードエックスはこれまで、「Cashmap」の開発や金融機関の法人顧客向け新規事業共創において協業してきた。一方、オリコとマネーフォワードエックスは、AI与信審査モデルの共同開発を進め、地域金融機関の法人顧客向け「Mikatano」シリーズへの搭載を決定している。
各社のソリューションと顧客基盤を融合することで、中小企業・個人事業主の資金繰り課題の解決に貢献し、サービスのさらなる価値向上を図ることが狙いだ。今後は、レンディングサービス以外にも、各社の強みを活かした協働を検討していくとしている。
JCBは、「Cashmap」の機能拡張を段階的に進めており、今回のオンラインレンディング機能の追加に加え、ファクタリングサービスなどの提供も予定している。これにより、中小企業・個人事業主の資金管理とキャッシュフロー改善を支援する体制を強化していく方針である。
マネーフォワードエックスが開発したAI与信審査モデルは、オリコの審査モデル構築ノウハウとマネーフォワードエックスのデータ分析技術を活かし、キャッシュフローから資金繰り状況の変化を予測する独自のモデルである。今後は、地域金融機関の法人顧客向け「Mikatano」シリーズや、オリコの銀行保証業務における提携金融機関への提供も進めていく予定である。
今回の業務提携により、JCB、オリコ、マネーフォワードエックスの3社は、中小企業・個人事業主の資金繰り支援を強化し、成長に貢献することを目指す。
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