
PKSHA、保険業界向けAI入力支援ソリューションを提供開始
PKSHA Technologyは5月22日、保険業界向けのAIソリューション「PKSHA AI Powered Data Entry」の提供を開始した。生命保険会社などが行う保険査定業務における煩雑なデータ入力作業を効率化し、業務工数の削減を目指す。
このソリューションは、PKSHAが開発した自然言語処理技術や大規模言語モデル(LLM)、画像認識技術を組み合わせたものである。従来のOCR技術では対応が難しかった手書き文書や非定型書類、撮影時の歪みなどにも柔軟に対応し、高精度なデータ抽出を実現する。実際、大手生命保険会社での検証では、他社OCR製品が約65%の精度にとどまる中、93%の精度を達成したという。
保険業界では、保険金請求時に提出される医療費の明細書や領収書など、形式が多様な書類を正確にデータ化する必要がある。しかし、これらの書類は手書きやPDF、写真など形式がばらばらであり、一般的なOCR技術では十分に読み取れず、人の目で確認・修正する必要があった。そのため、データ入力作業は人力に頼る部分が多く、業務負荷が高い状況が続いていた。
PKSHAは2023年から、非定型文書のデータ入力支援を目的としたアルゴリズムやプロダクトの開発を進めてきた。今回のソリューションは、保険・医療分野に特化したデータベースと、独自開発のLLM活用ソリューション「PKSHA LLMs」をOCRと組み合わせることで、従来の技術では対応が難しかった複雑な文書構造や手書き文字、撮影時の歪みなどにも柔軟に対応できるようになった。
さらに、AIソリューションと業務プロセス全体を外部に委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を組み合わせたサービスパッケージも提供している。これにより、AIが入力作業を代行し、最終的な確認と修正のみを人が行うことで、社内での人材育成にかかるコストや、外部委託先が業務を開始するまでの準備期間を短縮し、より低価格かつ安定的な業務の流れを迅速に立ち上げることが可能となる。
PKSHAは、今後も保険金請求・支払いの迅速化や人的負荷の軽減を支援し、働く方々がコア業務に集中し生産性が高まるよう、保険業界への展開を進めていく計画だ。
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