
NTTデータ、事業性融資に特化した電子契約サービスを開始
NTTデータは、2025年5月より事業性融資に特化した電子契約サービスの提供を開始する。ファーストユーザーとして福井銀行が採用し、今後はその他の金融機関にも段階的に展開していく計画だ。
この新サービスは、NTTデータが開発・導入してきた住宅ローンの融資稟議システムを基盤とし、法人企業が設備資金や運転資金の調達を目的とする事業性融資に対応したもの。既存のシステムと連携することで、事前に登録された顧客データや稟議情報を自動で取り込んで契約書に反映。書類作成や情報入力の手間を削減でき、作業ミス防止にも貢献する点が大きな特徴である。
従来の電子契約サービスでは金融機関側で金利や契約期間などを手動で入力する必要があったり、契約書ファイルを別途作成してアップロードする非効率なフローが残っていた。今回の新サービスでは、こうした課題を解消すべく、「アカウント管理」や「ワークフロー制御」といった機能を充実。金融機関ごとの事務フローや法人企業ごとの多様な業務形態にも柔軟に対応できる。
具体的な機能面では、行員ごとに役割(融資担当や上長など)を細かく設定してアカウントを管理できる「アカウント管理機能」を搭載。法人企業側では本人確認済みのユーザーアカウント管理や、企業自身によるアカウントの追加運用が可能だ。さらに、連帯保証人のアカウントも企業単位や個人単位で管理でき、不要な情報の閲覧防止策も盛り込まれている。
システム利用者の役職や業務内容に応じて権限を細分化して管理できる点や、支店や部署単位でのアカウントグループ化、人事異動などにも柔軟に対応できることもメリットとなっている。
また、契約書作成から検証、商談、署名、承認までのワークフローを金融機関・法人双方で自由に設計でき、現状の業務フローを損なうことなく電子化へと移行できる仕様だ。テンプレートへの顧客データ自動印字やTIBORレートに基づく金利設定自動反映なども備わっており、契約書作業の効率化・精度向上を実現する。
今後は、資金繰りの柔軟性向上が見込める当座貸越業務のオンライン化も推し進め、2026年度中には「極度方式基本契約」や「借入申込・返済機能」も追加予定。電子契約サービスの機能拡充を通じて、金融業界のデジタル化・DXをさらに後押しする構えだ。
添付画像一覧
