
NTTドコモ、住信SBIネット銀行の公開買付け開始 銀行業へ本格参入
NTTドコモは、住信SBIネット銀行の普通株式を対象とした公開買付けを2025年5月30日から7月10日まで実施する。これにより、住信SBIネット銀行を連結子会社化し、銀行業への本格的な参入を目指す。今回の決定は住信SBIネット銀行の賛同のもとで行われており、同時に三井住友信託銀行やSBIホールディングスとの資本業務提携契約も締結される。
ドコモはすでに「dカード」や「d払い」をはじめとする金融サービス分野でプレゼンスを拡大してきたが、今回の銀行業参入によって、さらに幅広い金融サービスの提供を推進する考えだ。銀行口座と決済や証券などを一体的に提供し、スマートフォンひとつで貯金、投資、保険、融資まで完結できる利便性の高い環境を目指す。また、複数サービスの利用者へはdポイントの特典付与など、お得な仕組みも導入する予定だ。
さらにドコモは、銀行業務を通じて取得したデータを活用し、利用者ごとに最適なサービスを提案する。銀行機能の追加は金融サービス全体の顧客基盤強化にも寄与し、ドコモグループ全体の成長エンジンとなると見込んでいる。
住信SBIネット銀行との連携では、ドコモの顧客基盤とリアル店舗、デジタル資産を活用し、デジタルバンク事業の成長を促進。住宅ローン分野ではドコモサービスと連携した差別化商品や販売チャネル拡充、BaaS事業(バンキング・アズ・ア・サービス)の法人ネットワーク展開などで新たなシナジー創出を目指す。
公開買付けの価格は1株当たり4,900円。予定株式数は47,674,496株で、上限や下限は設けない。住信SBIネット銀行の取締役会も本公開買付けへの賛同を表明し、株主には応募を推奨している。
この買付け成立後、ドコモが65.81%、三井住友信託銀行が34.19%の株式を保有することとなり、議決権比率は両社が50%ずつとなる。実質的な経営支配はドコモが担い、同社は住信SBIネット銀行を連結子会社とする見込みだ。
取引の完了は2025年11月頃を予定。住信SBIネット銀行では今後、株式併合によるスクイーズ・アウトも計画している。今回の資本業務提携により、両社は次世代金融サービスの開発・提供を加速させ、企業価値の最大化を目指す方針だ。
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