
OmegaFSとSecuritize PFが連携、証券会社のST業務を一括効率化
日本電子計算(JIP)とSecuritize Japanは18日、証券バックオフィスシステム「OmegaFSシリーズ」とセキュリティ・トークン(ST)発行・管理基盤「Securitize PF」をAPIで相互接続し、金融商品取引業者向けサービスを開始した。これにより証券会社は、STの商品情報や投資家情報を基幹システムとリアルタイム連携させ、口座開設から配当計算までの業務をパッケージで処理できるようになる。個別開発が不要となり、ST事業への参入コストと期間を大幅に削減できる点が特徴だ。
連携サービスの第一号案件として、スターツ証券が組成した不動産ST「スターツ・アセット・トークン〜両国・千鳥町〜(譲渡制限付)」の顧客管理を開始した。同社は「金融から不動産まで」を掲げる資産活用サービスにSTを組み込み、投資家へ少額・短期で流動化された不動産投資の選択肢を提示する。申込から配当受取までスマートフォンで完結し、権利移転の履歴もブロックチェーンで可視化されるため、透明性と利便性が向上する。
今回の取組は、NTTデータとSecuritize Japanが4月に発表したデジタル証券プラットフォーム構想に基づくものだ。OmegaFSが持つ証券業務ロジックと市場シェア、Securitize PFのグローバル実績を組み合わせ、日本の証券会社が抱えるST事務処理負荷という課題を解決する。商品マスター、取引データ、顧客属性といった情報を統合し、二重入力を排除することで、内部統制を維持したまま業務効率を約3割向上させる見込みである。
JIPは1962年の設立以来、証券分野を中心に幅広いITサービスを提供してきた。今後は同連携基盤を活用し、自治体向け地域通貨STや再エネ事業へのSTファイナンスなど、多様なデジタルアセットの取扱いを支援する方針だ。一方、Securitize Japanは海外で培ったSTOノウハウを日本市場に展開し、投資体験の革新と資本市場の近代化を目指す。
添付画像一覧



