
静岡銀行とシンプルフォーム、企業リスク自動通知でマネロン対策実証実験開始
シンプルフォームは25日、静岡銀行が進めるマネー・ローンダリング(AML)やその他金融犯罪対策を強化するため、2025年6月から9月まで実証実験を行うと発表した。実験では同社の企業リスク自動通知サービス「SimpleMonitor」を活用し、行内の取引モニタリングで検出した兆候と突き合わせることで、不正取引の検知精度や運用効率を検証する。
国際的にAML対策の要求が高まる中、金融機関は膨大な情報からリスクの高い取引を速やかに抽出しなければならない。しかし地域金融機関は人員やリソースに制約を抱え、専門人材の確保も難しいのが現状だ。静岡銀行も現行の監視体制を持つものの、特に法人口座では多額の資金移動が真っ当な商取引か不正かを判断するのが容易ではなく、検知の精緻化と効率化を課題としてきた。
シンプルフォームは行政機関やインターネット上に点在する全国約500万法人の定性情報を収集・統合し、審査DX向けに「SimpleCheck」と「SimpleMonitor」を提供している。SimpleMonitorは登録した法人のリスク評価に影響する情報・属性の変化を常時監視し、自動で通知する機能を持つ。これにより、従来は数日を要した情報収集が大幅に短縮され、リスク変化の早期把握が可能となる。
今回の実証では、静岡銀行の取引先法人をSimpleMonitorに登録し、リスク変化を即時に把握。得られた通知と行内の取引モニタリング結果を組み合わせて分析し、注視すべき不正取引パターンの抽出と判断材料としての有効性を検証する。目標は、不審取引の早期発見と調査負荷の軽減だ。
静岡銀行は結果を踏まえ、運用フローの改善やシステム導入を検討する方針。シンプルフォームはデータ提供に加え、業務フロー構築や分析面でも支援し、金融犯罪対策の高度化を後押しする。同社は「SimpleCheck」と「SimpleMonitor」の組み合わせで初期審査から途上審査までを一元管理できる体制を提案しており、地域金融機関が抱えるAML要員不足への解決策として導入拡大を図る考えだ。
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