
金融庁がクロスボーダー収受代行に専用相談窓口、新法施行前の不安払拭へ
ポイント
金融庁は20日、国境をまたぐ資金の「収受代行」を行う事業者向けに、メールによる専用相談窓口を開設した。2025年までに施行予定の改正資金決済法で同ビジネスは資金移動業規制の対象となる可能性が高まり、事業者からは「自社サービスが規制に該当するのか」「除外規定の詳細はいつ示されるのか」といった不安の声が寄せられていた。 金融庁は20日、国境を越えて資金を受け取り利用者へ送金する「クロスボーダー収受代行(国際収受代行)」に関する専用相談窓口を立ち上げた。対象は、海外EC決済やインフルエンサーの越境報酬支払いなど、現時点で同スキームを手掛けている、あるいは今後参入を検討する国内外の事業者だ。
背景には、6月に公布された「資金決済に関する法律の一部を改正する法律」の存在がある。同改正法は公布から1年以内に施行予定で、従来は規制対象外だった収受代行ビジネスにも資金移動業規制を適用する。一方、内閣府令で定める「適用除外」を設ける方針も明示されており、具体的な線引きは今後示される見通しだ。このため、「どのようなビジネスモデルが新たに免許・登録を要するのか」「除外範囲はどこまで広がるのか」といった疑問が業界に残されていた。
金融庁は、事業者が早期に制度対応を検討できるよう施行前から相談を受け付ける。寄せられた意見は、今後策定する内閣府令や監督指針の参考情報としても活用する考えだ。ただし、回答には追加資料の提出や面談を求める場合があり、内容次第では関係省庁と情報共有することを明記した。
クロスボーダー収受代行は、海外で商品・サービスを提供する企業が自国の支払いインフラを使わずに取引を完結できる利便性から急拡大してきた。しかし、マネーロンダリング対策や利用者保護の観点では空白領域と指摘されており、国際機関FATFも監督強化を勧告している。
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