
学生向け無人店「キャンパスドンキ」大阪電通大で始動、QRで入店し退店即決済
NTTデータとパン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス(PPIH)は24日、ウォークスルー決済型無人店舗「キャンパスドンキ」1号店を7月1日に大阪電気通信大学寝屋川キャンパス内でオープンすると発表した。
デジタル店舗運営サービス「Catch&Go」を採用し、入店時にスマートフォンの専用アプリで表示したQRコードをゲートにかざすと認証が完了。客が商品を手に取り退店するだけで、あらかじめ登録したキャッシュレス決済手段から代金が自動で引き落とされる。
店内には天井カメラと商品棚の重量センサーを配置し、AIが誰がどの商品を取ったかをリアルタイムで把握する。バーコード読み取りやセルフレジも不要なため、昼休みが短い学生でも行列を気にせず買い物できる。運営側もレジ人員を配置する必要がなく、営業時間を8時から21時までと従来より4時間拡大した。売り場面積は約15平方メートルながら、おにぎり・弁当・飲料・菓子など約450アイテムを備え、ドン・キホーテが強みとする多品種少量の品ぞろえを維持する。酒類やたばこは扱わず、学内需要に特化した構成とした。
国内小売市場は飽和が進み、人手不足も深刻だ。PPIHは大学という未開拓の商圏を新業態で攻めることで成長余地を確保しつつ、省人化技術で課題を解決する狙いを持つ。両社は購買データを生かした共同商品開発や学生参加型イベントも検討しており、産学連携の場としての活用も視野に入れる。11月には2号店の開店を予定し、全国の大学やオフィスビルへの横展開も検討中だ。
NTTデータはCatch&Goを小売各社に広げ、レジレス化による新たな顧客体験と業務効率化を推進する方針。AIカメラ画像の解析はCloudpick Japanと連携し、すべて国内データセンターで管理することでプライバシーにも配慮する。両社は、キャンパスドンキを起点に無人店舗の社会実装を加速させ、流通業界全体の生産性向上に貢献していく考えだ。
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