
BIPROGY、オープン勘定系「BankVision2.0」構想で次世代金融インフラを実現へ
BIPROGYは5月30日、オープン勘定系システム「BankVision」の価値をさらに高めるべく、新たな取り組み「BankVision2.0」に着手したと発表した。今回の第一弾では、事業継続計画(BCP)対策およびサイバーセキュリティー対策の更なる強化が中心となっている。
「BankVision」は2007年より稼働しており、金融機関のIT基盤を支えてきた。これまでバックアップ環境の提供やデータのほぼリアルタイム反映など、有事を想定した設計によりサービス中断の最小化に取り組んできた。しかし、近年は自然災害やサイバー攻撃のリスクが増し、金融業界には一層高いオペレーショナル・レジリエンス(運用継続能力)が求められている。
この課題に対応するため、BIPROGYではクラウド(Azure)を活用し、東西異なるリージョン(データセンター所在地)間で本番環境を自動的に切り替える技術の実装を進める。データを完全同期し、インシデント発生時にはシステムの切替を自動化。これにより切替時間は最小限に抑えられ、データ消失のリスクも解消される。金融機関の現場担当者の負荷も著しく軽減される見込みだ。新サービスの提供は2026年度を予定している。
また、サイバーセキュリティーの分野でも抜本的な強化を始める。BIPROGYは、同グループのユニアデックスおよび「BankVision」利用金融機関と共同で、セキュリティ連携組織「BankVision-CSIRT Partnership」を設立した。ここでは参加金融機関がサブシステムも含めた対策を共有し、金融庁のガイドラインへの対応や勉強会の開催、最新脅威への議論などを通じて、世界最高水準の情報セキュリティを目指す。
現在、山梨中央銀行や北國銀行、スルガ銀行、大垣共立銀行、百五銀行など11の主要金融機関が名を連ねている。経験や知見を持ち寄ることで、一企業の枠を超えたセキュリティー防御体制を構築する。
今後は、BCPやセキュリティ強化の他にも、APIサービスによる外部連携や生成AIの活用による開発負荷低減など、金融DX推進に資するさまざまな施策を展開する方針だ。
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