
マネーフォワード、超富裕層向け『Private BANK』6月始動 資産可視化と助言を統合
マネーフォワードプライベートバンクは2025年6月25日、超富裕層向け資産管理プラットフォーム「Money Forward Private BANK」の提供を開始する。同社は資産10億円以上を想定する個人および資産管理会社を対象に、専用アプリによる資産の可視化とコンサルタントによる助言を組み合わせ、複雑化する資産全体の把握と意思決定の効率化を支援する狙いである。
背景には、不動産や未上場株式、アートなど多岐にわたる資産が個人と法人に分散し、全体像を把握しにくいという超富裕層特有の課題がある。資産承継や運用判断に難しさを感じる声が多く、「資産管理は正しく把握することから」という同社の方針がサービス開発につながった。
専用アプリは個人・法人別、合算の三つの切り口で資産、負債、純資産、収支実績・予測を表示するほか、保有不動産の稼働状況や取得情報も一覧化できる。利用料は年12万円(税抜)。初期導入時には専門家が資産データを入力代行し、目安20万円(同)で提供する。さらに初回コンサルティングとして10万円(同)を設定し、可視化されたデータを基に個別面談で助言を行う。アプリのダウンロード後に申込フォームから面談を予約し、無料面談を経て契約に進む流れとした。
同社は今後、支援メニューを柔軟に選択できるよう機能開発を進めるとともに、地域金融機関や資産運用支援事業者との連携を拡大し、超富裕層向け資産管理の共通基盤としての展開を目指す。超富裕層ビジネスを手掛けたい地方銀行などが同プラットフォームを活用することで、地域における富裕層サポートの高度化を図る構想だ。
ファミリーオフィスサービスとプラットフォームを融合させた同社の新サービスは、資産の「見える化」を起点にパーソナルな助言を提供し、資産承継や運用判断の質を高めることを目指す。超富裕層市場で存在感を高めるマネーフォワードプライベートバンクの動向に、金融業界の注目が集まっている。
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