
JPCrypto-ISAC設立、暗号資産業界の安全性向上を目指す
暗号資産業界のセキュリティ強化を目的とした一般社団法人JPCrypto-ISACが、2025年1月17日に設立された。同団体は、サイバーセキュリティに関する情報を広く共有・分析し、業界全体の安全性向上と暗号資産関連サービス利用者の安心・安全を継続的に確保することを目指している。
設立の背景には、2020年5月の資金決済法・金融商品取引法等の法改正や、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の自主規制規則改訂など、業界全体で暗号資産交換業における管理体制の強化が進められてきたことがある。
しかし、交換業者間でのセキュリティ情報を迅速に共有する仕組みが存在せず、情報共有に時間がかかる点や、ブロックチェーン技術を含む新しい技術の情報共有やセキュリティ対策の方法を共有する機会が限定的である点など、業界としてセキュリティ課題が認識されていた。また、金融庁のセキュリティガイドラインでISACへの関与が明記されるなど、情報共有の枠組み構築と運用が求められている状況も背景にある。
JPCrypto-ISACは、高度なセキュリティを提供する中立的なオペレーション組織として機能し、効率的かつ最善な方法で迅速かつ濃密な情報共有を実現することを目指している。具体的な活動内容としては、サイバーセキュリティに関する調査研究や提言、ベストプラクティスの研究・普及啓発、教育および広報、研修会や講習会の開催、会員への情報提供やネットワーキング、行政当局および外部機関との連携・情報交換、関連法令や指針への準拠などが挙げられている。
今後、JPCrypto-ISACは有識者や参画企業と共に、業界内での情報共有や連携強化に向けた取り組みを推進し、日本の暗号資産業界の健全な発展と利用者の安心・安全の確保に寄与する方針だ。
添付画像一覧




